株をやる上で覚えておきたいのは、株主還元策。株の王道は長期投資とも言われているが、その長期投資をしていく上で重要となってくるのが、この株主還元。
株主還元とは、企業が事業活動によって得た利益を、株主に還元することである。株主還元によって企業の株主価値を高め、株主からの信頼を維持するための重要な要素とされており、その還元方法には、配当(増配)や株式分割、自社株買いなどがあり、その尺度を示す指標には、配当利回りや配当性向などがある。
この株主還元の方針の考え方はその会社それぞれであり、株主還元に積極的な会社もあれば、そうでない会社もある。
例えば、株主還元に積極的な代表的な会社で言うと、花王やSPKといった増配を長らく継続実施している会社が挙げられる。
花王はなんと「34年」、SPKは「26年」も増配を継続している。
もちろん上記の通り、基本的に「企業が事業活動によって得た利益を、株主に還元すること」であるため、それだけ利益を向上させてきているという裏付けでもある。
こういった利益を積み上げつつも、株主還元に積極的な会社を買うことが、資産形成における重要なひとつのポイントとなってくる。
主な株主還元策は以下の通り。
1. 配当
- 企業が利益の一部を現金で株主に分配するもの。株主還元における、最も知られている手法。
- 通常、半期に1度や年に一度など定期的に実施される。米国株では4半期に1度される銘柄も散見される
2. 自社株買い
- 企業が市場から自社の株式を買い戻す方法。買い戻した株式は消却される場合もあり、発行済み株式数が減少するため、1株当たりの価値が高まる。(市場に出回っている株式数が減るため、希少性が上がるイメージ)これにより株価が上昇しやすくなり、株主に利益をもたらす可能性がある
- また、自社株買いは一時的な株価の下支えになるため、投資家に好意的に受け取られることも多い。
3. 増配
- 企業が利益の成長や財務状況の改善を背景に、配当を増額すること。
- 増配は安定した成長を示す指標とされ、長期投資家にとっては特に魅力的。
- 株を買い増しして増配分の配当額を得ようとするとそれ相応の投資額が必要となることから、増配はメリットが大きい
4. 株式分割
- 株式を複数に分割することで、1株あたりの株価を引き下げる手法。株式数が増えることで流動性が向上し、新たな投資家が参入しやすくなる。株式分割自体は株主の資産価値に直接的な影響を与えないが、心理的な要因で株価上昇につながることもある。昔に比べ、この手法による株価上昇はあまり見られなくなった印象。
特に最近では、東証のテコ入れもあり自社株買いや増配を行う会社が増えてきた。企業も円安効果等で利益が伸びてきているため、株主還元に動きやすい環境になっていることも要因の一つ。こういった株主還元に力を入れている・入れてきた会社を投資の視野に入れることを長期投資では考えたい。闇雲に「安くなったから買う」、「知っている銘柄だから買う」では資産は増えない。どれだけ企業の経営方針や製品に共感を持ち、株主をはじめとしたステークホルダーに向き合っている会社であるかが企業価値向上につながり、ひいては株価に反映されてくるのである。
ちなみに株主還元方針は、有価証券報告書で確認できるので、ぜひ自身で確認することをしてほしい。
自分の目で見て、確認することを癖つけることが、資産形成における第一歩。
各社のHPに飛んで、有価証券報告書を確認することももちろん可能だが、お勧めは「バフェットコード」。
企業を検索して企業概要→会社の詳細→「配当政策」で一目瞭然。簡単に情報が手に入るので、ぜひご活用を。
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